太陽光発電設備は、2012年7月の再生可能エネルギー固定価格買取制度(FIT制度)の導入に伴い 建設が急増しました。 しかし近年、構造体力不足を要因とした暴風や大雪による被害が増加してきています。 被害の事例として下記があげられます。 ・土砂災害・水害 ・積雪による基礎の沈下 ・暴風による架台の損傷 これは、2017年にJIS C 8955が「太陽電池アレイ用支持物の設計用荷重算出方法」に改訂された際、構造設計に関する内容が削除されたことが大きな要因として考えられます。 そのため経産省は、構造安全性を考慮した、太陽光発電設備の架台や基礎に関する設計ガイドラインを2018年を目処にまとめることとしています。 (出典:経済産業省 産業保安グループ 電力安全課 【太陽光電池発電設備に関する電気設備の 技術基準の解釈改正について】 平成30年3月12日) しかし一方で、太陽光発電設備は事業の側面を持つ以上、経済性(コストメリット)も重要となります。 構造設計者として経済性と安全性を両立した設計が求められています。 また今後は、事業の側面を考慮し、誰にでも利用できる設計システムの構築も考えていく必要が あるかもしれません。

今回は、基礎形式と建物規模と敷地条件のお話です。

①基礎形式の種類

基礎の種類は大きく二種類の形式に分かれます。
一つが直接基礎(独立基礎,布基礎,ベタ基礎)で、もう一つが杭基礎です。
そして、一つの建物において直接基礎と杭基礎の併用は、建築基準法施行令38条により原則禁止されています。

②建物規模と基礎形式の想定

建物規模・構造種別・設計ルートにより、どちらの基礎形式となるかが想定できます。
軽い木造は直接基礎,比較的軽い低層のS造やRC造も直接基礎、ペンシルビルタイプのS造や重いRC造は杭基礎などです。

③敷地条件と基礎形式の想定

敷地条件により採用できる基礎形式が想定されます。

直接基礎が想定される建物でも、地盤を調査した結果によっては、杭基礎としなければならない場合もあります。
例えば、液状化する地域で支持層が深い場合です。

液状化するだけでしたら、一般的な地盤改良で済むかもしれません。
支持層が10m程度にある場合は、液状化層を貫通して支持層まで地盤改良を行うことにより、直接基礎を採用できます。
しかし、支持層が15m程度となると杭基礎の採用を考える必要があります。
それは、一般的な地盤改良工法(柱状改良による工法)の適用範囲が10m前後までのためです。

逆に、建物規模から杭基礎が必要な場合でも、直接基礎としなければならない場合もあります。
例えば、敷地形状が鰻の寝床のような細長い場合です。

一般的に、敷地幅が狭く杭打機が旋回できないので、必要な箇所に杭を打つことができなくなるためです。
この時は、建物計画自体の変更が必要になったり、施工可能な杭基礎を探していただくなどが発生します。

お見積りをご依頼の際に地盤調査結果もご用意いただくと、基礎計画のご案内もできます。
近隣ボーリングでもよいので、ご用意いただけましたら幸いです。

構造設計は、数多くの「仮定」のもとに成り立っています。とりわけ地震の力と建物の挙動は、仮定の上に仮定が重なるようにして計算しています。低中層の建物は、過去の地震被害や多くの実験などの実績があり、現行の計算方法が「あながち間違いではない」ということは経験的に分かっているのです。

一方、超高層建築物(高さ60m超)は日本で建設されてから日が浅く、地震に対して建物がどう動くか、どのような被害が出るかということは、実際のところ「よくわかっていない」というのが実状です。そこで、より現実に近い状態で精密なシミュレーションを行うため、超高層建築物には振動解析(時刻歴応答解析)という計算が義務付けられています。(ちなみに振動解析は、ラケットや家電、自動車や航空機にも行われています。)

しかしながら、超高層の設計に携わったことのある構造設計者はほんのひと握りです。つまり大多数の構造設計者にとって、振動解析は「自分には手の届かないもの」「仕事には役立たないもの」なのです。実際私も学生のころは、構造設計者は振動解析の技術を持ち、ベテランともなれば皆一度は超高層の設計に携わったことがあるのだろうと思っていました。ですが現実はそうではなく、自ら望み、その世界へ飛び込まなければ決して出会うことのないものだと痛感しました。

ではこの先も、超高層に携わらない構造設計者は振動解析に対して無関心でいいのでしょうか。決してそんなことはありません。構造設計者は構造設計の専門家であり、知らなくていい事柄など一つとして無いのです。今の低中層の計算方法にも振動解析の考えが数多く取り入れられており、将来低中層の建物にも振動解析が義務化されるかもしれません。ですから、構造設計者はもとより、意匠・設備設計者や一般の方々にも、何をやっているかぐらいは知っておいていただけると幸いです。

ここでほんの少しだけ、振動解析の世界をご紹介しましょう。

「F=ma」
という式をご存知でしょうか。これは、「力(慣性力)は質量と加速度の積」というニュートンの第2法則を示した式です。なんだか中学校か高校の物理で習った記憶があります。

低中層建物の構造設計はこの法則に基づいて、地震によって建物にどれだけの加速度aがはたらくかを想定し、どれだけの力Fがかかるかを計算します。電車や車に乗っているとき、急激な加速や減速があると、誰かに押されたような感覚になります。地震が起こった時に、建物にもこれと同じ現象が起こっているのです。

私達にとって一番身近な加速度といえば、重力加速度ですね。これは地球上であれば変わることはありません。地震によって建物にどれだけの力がかかるかは、この重力加速度を基準に考えます。建物にかかる加速度をa、重力加速度をgとすると、建物の自重に対してa/gという割合で力がかかると想定し、このa/gについて震度4程度では0.2や0.3、震度6強程度では1.0を基本としています。そしてこのa/gを震度と呼びます。

この計算方法は、地震で左右どちらか一方から押されたときに、「押された直後のある瞬間」を抜き取って考えているのです。これは低中層の構造計算で最も一般的に用いられ、「静的解析」といいます。ある瞬間なので揺れることはなく、「静か」なのです。

次にこの「F=ma」を少し変化させましょう。

「F-ma=0」
ただ移項させただけのようにみえます。もちろん数学的にはそうなのですが、工学的には重要な意味を持ちます。

地震で押された後のことを考えてみましょう。柱や梁は押されて変形した後、元に戻ろうとします。この力を「復元力」といいます。地震で揺れる度に、建物には慣性力と復元力がかかり、上の式はこの二つの力が動きながら常に釣り合っていることを意味しています。これは振動解析の考え方の基礎となるものであり、これらの計算を総称して「動的解析」といいます。動的解析には時間の概念が加わるので、静的解析より複雑になってしまいます。

この移項した式を「d’Alembert(ダランベール)の原理」といいます。

実際の振動解析では、これらに空気抵抗や摩擦による揺れの減衰を考慮します。復元力も一定とは限りません。そして時々刻々と変化する地面からの加速度に対して、ある時間分ごとに計算を行います。

建物を解析するとき、床の位置にその階の質量を集めた点をつくり、計算が簡単になるように建物を簡略化するようにします。この質量を集めた点を「質点(しってん)」といい、このようなモデルを通称「串団子モデル」と呼びます。見ての通りおだんごのようですね。

解析ではこの質点ひとつひとつについて、どのような力がかかり、どのように動くかを解析します。
さらに建物はこの質点の数だけ揺れのパターンがあり、それらをひとつずつ解析しなければなりません。
20階建てなら20パターン、30階建てなら30パターンあり、それぞれのパターンに対して、全ての質点を解析します。

これをある時間分ごとに計算していくわけですが、一般的に建物の振動解析では、0.01秒や0.001秒ごとに行うことが一般的です。例えば3分間(180秒)建物の揺れを0.001秒ごとに確認したければ、180/0.001=180000回この計算を繰り返すことになります。

非常に大雑把な説明でしたが、振動解析のイメージを掴んでいただけたでしょうか。これだけ膨大な計算を人間が手計算でやろうとすると、一生かかってもできないでしょう。振動解析はコンピュータが発展したからこそ確立した計算方法であり、これからの構造設計には欠かせない技術であることは明白です。そして、構造設計者はさらなる技術発展に寄与し、少しでも被害を軽減させて社会に貢献するという責務を負っているのです。

みなさんは、建物の『バランス』を考えたことはありますでしょうか。

例えば、木造の建物で告示上の耐力壁の量が足りていても、実際に構造計算をすると建物のバランスが悪いため、想定よりも大きな力が働き、部材が大きくなってしまう場合があります。

では、建物の『バランス』の良し悪しは建物のどこに宿っているのでしょうか。
今回は、建物の『バランス』を考える際の構造上の指標についてご紹介します。

構造上の建物のバランスを計る指標として、『剛性率』、『偏心率』という2つの考え方があります。
この2つの指標を満たすことで、構造上は『建物のバランスがよい』と考えます。

まず、『剛性率』とは『立面的なバランス』を計る指標になります。

図①

図①は、柱・梁が同じ部材である建物として考えます。
上図の通り、図左側の建物は各階の階高がほぼ等しく、
【地震に対して各層が均等に変形する=各層の剛性率がほぼ同じ値になる】
ことが予想されます。
一方、図右側のような吹き抜けなどが存在し、一部の階高が突出して高い建物の場合は様子が異なります。
図右側の建物では、
【階高の高い層の変形が大きくなり、上下階とのバランスを見ると、その層のみ柔らかくなる=階高の高い層のみ剛性率が小さくなる】
ことが予想されます。

図をご覧の通り、階高の高い層に力が集中してしまい、その層のみ被害が大きくなる恐れがあるため、構造上注意を要します。
この場合は、階高の高い層のみを強度の高い柱断面に変更するといった構造的な対策をする必要があります。

このように高さ方向の『立面的なバランス』を計る指標が『剛性率』になります。

次に、『偏心率』とは『平面的なバランス』を計る指標になります。

図②

図②は、平面的にバランスがよい建物になります。
建物の平面的なバランスを考える際には、
【各方向の地震力ごとに耐震要素を分解する】
ことが重要になります。
各方向の地震力に対して、耐震要素がどのように配置されているかを見ることで平面的なバランスがわかります。

ご覧の通り、図②の建物は、どちらの方向の地震力に対しても上下、左右にバランスよく配置されていることがわかります。
このような建物の場合には、地震に対しても大きな偏りなく、抵抗することができると考えられます。

では、平面的なバランスが悪い場合として、南側に大開口を設けた場合を考えてみましょう。

図③

上図の通り、X方向の地震に対して平面的なバランスが取れていないことがわかります。
建物上下で耐震要素のバランスが悪く、建物下側の耐力壁に大きな力が働くことが予想されます。
この場合は、偏心率が大きくなり、ある一定の数値を超えると、構造計算上割増係数をかけて耐力に余裕を見る必要があります。

このように耐震要素の配置による『平面的なバランス』を計る指標が、『偏心率』になります。

告示に則り建物を設計していると、耐力壁や、柱の数など部材の『量』にのみどうしても目がいってしまいます。
もちろん部材の『量』を満たすことは重要ではありますが、その上で部材の『バランス』まで気を配ることができれば、必要以上の部材がなくなり、すっきりとしたデザインが実現できます。

RC造ラーメン架構の耐震要素として、耐震壁があります。

どのようなRC造の壁も耐震壁となるのかと言うと違います。

耐震壁とできる壁の条件は、下記になります。

しかし、実際には採光などの問題で、RC造の壁に開口を設ける場合があります。

開口(1つまたは2つ)を開けた場合に耐震壁とできるかの条件は、下記になります。

開口の面積や位置によって、耐震壁にできる場合とできない場合があることがわかります。

また、耐震壁の構造設計を行う際に、√(A0/A),L0/L,H0/Hの3つの割合に基づき、耐震壁の剛性や耐力を低減させます。

低減という言葉からわかるように、耐震壁からすると開口=欠損となってしまいます。

同じ階の同じような耐震壁でも厚さや配筋が違ったりするのは、この低減による場合もあるのです。

せっかく壁を計画しているのですから、耐震壁として有効に活用したいものです。

現在の日本では、建築物の構造体に使われる材料は木・鋼・コンクリートが主流になっています。その中でもコンクリートは、鉄筋コンクリート造はもとより木造や鉄骨造の基礎にも使用され、最も多く使用される構造材料と言えるでしょう。

今回はそのようなコンクリートの性質についてご紹介します。

コンクリートはひび割れしやすく、乾燥収縮やクリープ荷重(長期的にかかる荷重から瞬間的にかかる荷重を引いたもの)で簡単にひび割れてしまいます。補修管理を怠ると、鉄筋が錆びたりコンクリート片が落下して重大な事故につながりかねません。

力学的には圧縮に強く、引張に弱いという特徴があります。引張力を受けると途端に割れてしまうため、構造計算ではコンクリートが引張に耐えることには期待しません。

さらにもうひとつ、力のかかり方に「せん断力」という力があります。この力は物を二つに分断しようとする力で、はさみで紙を切ることができるのは、紙にせん断力がはたらくからです。このせん断力とコンクリートの関係について詳説しましょう。

このようなモデルを考えてみましょう。

コンクリートには両端にせん断力がかかります。

せん断力がかかっている部分を細かく観察すると、斜め方向に引張力が作用しています。この力を「斜張力」といいます。先ほど述べたように、コンクリートは引張に弱いので、この斜張力と直交にひび割れが生じてしまいます。このひび割れを「せん断ひび割れ」と呼びます。

実際の建物では、このような形状をよく見かけます。

構造体の長さが短くなると、せん断破壊が起こりやすいという性質があり、この場合壁がない柱の部分にせん断力が集中してしまいます。すると

このように柱にせん断ひび割れが生じ、さらに力が加わるとせん断破壊が起こります。せん断破壊はとても脆い(ガラスのような壊れ方をする)性質があり、大変危険です。もちろん構造設計ではこのような破壊が生じないように設計しますが、地震の際、このようなひび割れを見つけた時は要注意ですね。

四号建物を設計するとき、仕様規定(建築基準法施行令36条~80条の3)のみを満たしていれば、安全であると判断していませんか。

もちろん満たすことは最低限のルールですが、キチンとした構造計算をした方がよい場合も存在します。

例えば、上記のような木造の建物【A】・【B】を考えてみます。

どちらも同様の基礎形式として、壁量の規定(施行令46条)など仕様規定を満足できます。

法律上はどちらも問題がないように思いますが、構造上は【B】が安全な建物であると判断できます。

ポイントは、壁位置にあります。

構造上では、両者の【ねじれ剛性】(ねじれに対するかたさ)に差があると言います。

【ねじれ剛性】は、【剛心(剛性の中心)から壁(地震力抵抗要素)までの距離】×【壁の剛性(かたさ)】に依存しています。

つまり、【A】と【B】においては、両者の壁量が変わらないため、できるだけ外周部に壁があるほど、ねじれにくい安全な建物であると判断できるのです。

ご覧の通り、【B】に比べ【A】の建物は中心部に壁が集中しており、ねじれ剛性が小さい建物と判断できます。

法律上は、仕様規定を満足していれば問題ありませんが、実際に構造解析をするとねじれの影響もあり、【外周部の柱が大きく変形する】ため注意を要します。

このように法律上は満足していても、実際に構造解析をすると注意が必要な場合が数多く存在します。

今回は、その一例として【ねじれ剛性】をご紹介しました。

建築基準法及び関連法令で建築物に求められる性能は、極めて稀に起こる地震時に建築物が崩壊しないという性能になります。 要は、大震災時に建物が崩れない様にし、避難ができる状態を確保しましょうと言うことです。 そして、建築基準法,関係法令はその性能を確保するための最低限を規定しています。 関係法令とは別に、構造設計の規準などが有ります。 こちらもその性能を確保するには、どの様な検討を行えば良いのかなどが書かれています。 ※各規基準は、改正・改訂された時点で現実的な対策が取れる状況に対しての性能になります。 従って、各規基準を満たす(その建築物設計時点で考えられる最低限の性能)=極めて稀に起こる地震時に建物が崩れないであろう となります。 建物にどの程度の余力を持たせれば崩れない建物となるのかは、わかっていません。 ※天災であり、建築地や施工状況,建物の使用状況,築年数など様々な要因もあるので、『崩れないであろう』という表現になってしまいます。 また、崩壊しない建物を作ろうとすると、コストやプランの面で現実的ではない場合もあると思われます。 (耐震診断・耐震改修についても同様) お気づきかはと思いますが、崩壊しなかった建物が、その地震の前と同様に使用可能どうかについて一切ふれていません。 また、たとえ上家の被害が軽度で使用可能であっても、基礎が使用不可能な被害を受けてしまえば、結果として建物は使用不可となってしまいます。 (基礎の研究については上家ほど進んでいないようです) 構造設計とは、建物を如何に崩壊から遠ざけ、使用可能な建物に近づけるのかを設計するという事なのです。

この世に存在する物体は、力を加えれば必ず変形します。肉眼ではわからないですが、ダイヤモンドのようなすごく硬い物でも、力を加えれば変形します。

ばねをイメージしてみましょう。

ばねの硬さはいろいろあれど、引っ張ればその分伸び、離せば元の長さに戻ります。
このような性質を「弾性(だんせい)」とよびます。

もっと力を加えてもっと引っ張ってみましょう。
するとある変化が起こります。

ある瞬間から、力を一定にしても伸び続けるようになりました。
このような性質を「塑性(そせい)」とよびます。
いったん塑性すると、力を除いても変形が残ってしまいます。
これを「塑性ひずみ」といいます。

建築で使う材料も、例外なくこれらの性質を持っています。
鉄骨の骨組みや鉄筋に使う「鋼」の性質をみてみましょう。鋼は少し複雑です。

弾性から塑性へ変化することを「降伏(こうふく)」といい、この点を降伏点とよびます。
まさに鋼が降参した状態ですね。
そこから紆余曲折を経て破断に至ります。
実は、塑性すると断面が細くなるので、実際はこのようなグラフにはなりません(真応力-真ひずみ)が、構造設計の実務で使うことはほとんどないのでここでの説明は割愛します。

構造設計では、「震度4~5弱の地震に対して柱や梁を弾性の範囲内に、震度6強では部分的に塑性させても良いが、建物を倒壊させてはならない」ということを目標に設計します。

構造設計者は、使用する材料の特性を熟知し、適材適所に設計することが大切です。

コラム第12回でもご案内したとおり、4号申請の建物でも安全性の確認は必要です。 また、上家については壁量計算や許容応力度計算などで安全性の確認ができることもわかりました。 基礎部分(基礎梁・直接基礎)の安全確認はどうでしょうか。 許容応力度計算では、上家から基礎部分まで一連で安全性の確認を行います。 また、耐震等級○・耐風等級○取得や等級○相当の設計のご依頼もあります。 その場合、上家を設計する地震・風の力が1.25倍ないし1.5倍となります。 上家が1.25倍ないし1.5倍の地震・風の力に耐えられても、それに見合った基礎を用意しないと意味がありませんので、基礎も1.25倍ないし1.5倍の力で設計します。 これを 上家→『耐震等級2(=1.25倍)』で設計,基礎→『等級なし(=1.0倍)』での設計の状態から考えてみたいと思います。 イメージしやすく『重さ125kgの荷物』と『持てる重さが100kgまでのAさん』と置き換えます。 Aさんは100kgまでしか持てないので、荷物を100kgまで減らしてしまいます。 折角、等級2の上家=荷物を用意したのに、等級なしの基礎=Aさんでは十分に持ち上げられません。 これでは建物全体として、等級無しの建物となってしまいます。 Aさんがトレーニングをして、『持てる重さが125kgまでのAさん』となれば、等級2の上家,等級2の基礎なので、建物全体として等級2の建物が出来上がります。 『構造設計をすると基礎が大きくなる』というお話も聞いたことがありますが、このあたりの事の話なのではないでしょうか。 2016年は熊本地震もあり、住宅の地震に対する安全性の関心が高まっていると思います。 お施主様のご要望に合わせた設計手法のご依頼をお願いいたします。