こんにちは!擁壁構造計算書のECサイト「StructureBank-工作物」の建築構造用語集 編集部です。今回は「高さ方向の地震層せん断係数の分布係数」とは何かを解説します。
今回は壁倍率とは何かを解説します。
壁倍率とは?
「壁倍率」とは壁の強さを数値化したものです。

なんで「壁倍率」という考え方が必要なの?

例えば、筋交を入れた壁倍率でも筋交が1本の場合と、2本たすき掛けするとでは強度が変わってくるじゃろ?

2本たすき掛けした方が強度は2倍ね

壁の素材や筋交の断面寸法でも強度は変化するのじゃ。それらを考慮するために耐力壁の長さに壁倍率をかけて強度の値を調節するのじゃ

いくら耐力壁の長さが長くても、壁が脆かったら意味ないもんね…
壁倍率の値は、建築基準法施行令46条表1に定められています。
軸組の種類 | 倍率 | |
---|---|---|
(1) | 土塗壁又は木ずりその他これに類するものを柱及び間柱の片面に打ち付けた壁を設けた軸組 | 0.5 |
(2) | ・木ずりその他これに類するものを柱及び間柱の両面に打ち付けた壁を設けた軸組 ・厚さ1.5cm以上で幅9cm以上の木材又は径9mm以上の鉄筋の筋かいを入れた軸組 | 1 |
(3) | 厚さ3cm以上で幅9cm以上の木材の筋かいを入れた軸組 | 1.5 |
(4) | 厚さ4.5cm以上で幅9cm以上の木材の筋かいを入れた軸組 | 2 |
(5) | 9cm角以上の木材の筋かいを入れた軸組 | 3 |
(6) | (2)から(4)までに掲げる筋かいをたすき掛けに入れた軸組 | (2)から(4)までのそれぞれの数値の二倍 |
(7) | (5)に掲げる筋かいをたすき掛けに入れた軸組 | 5 |
(8) | その他(1)から(7)までに掲げる軸組と同等以上の耐力を有するものとして国土交通大臣が定めた構造方法を用いるもの又は国土交通大臣の認定を受けたもの | 0.5から5までの範囲内において国土交通大臣が定める数値 |
(9) | (1)又は(2)に掲げる壁と(2)から(6)までに掲げる筋かいとを併用した軸組 | (1)又は(2)のそれぞれの数値と(2)から(6)までのそれぞれの数値との和 |

1.5cm×9cmの木材の筋かいを1としているんじゃな
他にも面材耐力壁についても建設省告示第1100号にて壁倍率が定められています。条件を満たした構造用合板・パーティクルボードは2.5、石膏ボードは0.9、その他の壁についても告示にて詳細に定められています。
壁倍率は足せる?

ねぇ、耐震じい
大壁造の場合、筋交を入れてさらに構造用合板を貼り付けることもできるよね

できるの

この場合、壁倍率はどう扱えばいいの?

その場合は壁倍率を足すことができるのじゃ!
例えば、壁倍率2.5の構造用合板と1.5cm×9cmの木材の筋かい(壁倍率1)を併用した場合、壁倍率は3.5となります。

すごい👏
じゃぁ、9cm角の木材の筋かいをたすき掛け(壁倍率5)して壁倍率2.5の構造用合板を貼り付けて壁倍率7.5の耐力壁を作るわ!!

…

これで超強い耐力壁の完成ね!!!

残念じゃが、壁倍率が5を超えた場合は5とするのじゃ

どこまでも加算できるわけじゃないのね…( ; ; )
※倍率の和が5を超えた場合は、5とします。
壁倍率はいつ使う?

壁倍率っていつ使うの?

木造建築では、風圧力や地震力に抵抗するために定められた数値以上の長さの軸組を入れなければならないじゃろう?その時に使うのじゃ。

木造の構造計算で使うのね

あとは壁率比の計算でも使うことがあるの!
壁率比についてはこちら。
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