構造コラム第16回「構造設計と各種規基準と地震」

建築基準法及び関連法令で建築物に求められる性能は、極めて稀に起こる地震時に建築物が崩壊しないという性能になります。
要は、大震災時に建物が崩れない様にし、避難ができる状態を確保しましょうと言うことです。

そして、建築基準法,関係法令はその性能を確保するための最低限を規定しています。
関係法令とは別に、構造設計の規準などが有ります。
こちらもその性能を確保するには、どの様な検討を行えば良いのかなどが書かれています。
※各規基準は、改正・改訂された時点で現実的な対策が取れる状況に対しての性能になります。

従って、各規基準を満たす(その建築物設計時点で考えられる最低限の性能)=極めて稀に起こる地震時に建物が崩れないであろう となります。
建物にどの程度の余力を持たせれば崩れない建物となるのかは、わかっていません。
※天災であり、建築地や施工状況,建物の使用状況,築年数など様々な要因もあるので、『崩れないであろう』という表現になってしまいます。
また、崩壊しない建物を作ろうとすると、コストやプランの面で現実的ではない場合もあると思われます。
(耐震診断・耐震改修についても同様)

お気づきかはと思いますが、崩壊しなかった建物が、その地震の前と同様に使用可能どうかについて一切ふれていません。
また、たとえ上家の被害が軽度で使用可能であっても、基礎が使用不可能な被害を受けてしまえば、結果として建物は使用不可となってしまいます。
(基礎の研究については上家ほど進んでいないようです)

構造設計とは、建物を如何に崩壊から遠ざけ、使用可能な建物に近づけるのかを設計するという事なのです。