構造コラム第22回「基礎と建物と敷地」

今回は、基礎形式と建物規模と敷地条件のお話です。

①基礎形式の種類
基礎の種類は大きく二種類の形式に分かれます。
一つが直接基礎(独立基礎,布基礎,ベタ基礎)で、もう一つが杭基礎です。
そして、一つの建物において直接基礎と杭基礎の併用は、建築基準法施行令38条により原則禁止されています。

②建物規模と基礎形式の想定
建物規模・構造種別・設計ルートにより、どちらの基礎形式となるかが想定できます。
軽い木造は直接基礎,比較的軽い低層のS造やRC造も直接基礎、ペンシルビルタイプのS造や重いRC造は杭基礎などです。

③敷地条件と基礎形式の想定

敷地条件により採用できる基礎形式が想定されます。

直接基礎が想定される建物でも、地盤を調査した結果によっては、杭基礎としなければならない場合もあります。
例えば、液状化する地域で支持層が深い場合です。

液状化するだけでしたら、一般的な地盤改良で済むかもしれません。
支持層が10m程度にある場合は、液状化層を貫通して支持層まで地盤改良を行うことにより、直接基礎を採用できます。
しかし、支持層が15m程度となると杭基礎の採用を考える必要があります。
それは、一般的な地盤改良工法(柱状改良による工法)の適用範囲が10m前後までのためです。

逆に、建物規模から杭基礎が必要な場合でも、直接基礎としなければならない場合もあります。
例えば、敷地形状が鰻の寝床のような細長い場合です。

一般的に、敷地幅が狭く杭打機が旋回できないので、必要な箇所に杭を打つことができなくなるためです。
この時は、建物計画自体の変更が必要になったり、施工可能な杭基礎を探していただくなどが発生します。

お見積りをご依頼の際に地盤調査結果もご用意いただくと、基礎計画のご案内もできます。
近隣ボーリングでもよいので、ご用意いただけましたら幸いです。

構造コラム第14回「4号特例(平屋or2階建ての木造住宅)の基礎の設計について」

コラム第12回でもご案内したとおり、4号申請の建物でも安全性の確認は必要です。
また、上家については壁量計算や許容応力度計算などで安全性の確認ができることもわかりました。

基礎部分(基礎梁・直接基礎)の安全確認はどうでしょうか。
許容応力度計算では、上家から基礎部分まで一連で安全性の確認を行います。

また、耐震等級○・耐風等級○取得や等級○相当の設計のご依頼もあります。
その場合、上家を設計する地震・風の力が1.25倍ないし1.5倍となります。
上家が1.25倍ないし1.5倍の地震・風の力に耐えられても、それに見合った基礎を用意しないと意味がありませんので、基礎も1.25倍ないし1.5倍の力で設計します。

これを 上家→『耐震等級2(=1.25倍)』で設計,基礎→『等級なし(=1.0倍)』での設計の状態から考えてみたいと思います。
イメージしやすく『重さ125kgの荷物』と『持てる重さが100kgまでのAさん』と置き換えます。

Aさんは100kgまでしか持てないので、荷物を100kgまで減らしてしまいます。
折角、等級2の上家=荷物を用意したのに、等級なしの基礎=Aさんでは十分に持ち上げられません。
これでは建物全体として、等級無しの建物となってしまいます。

Aさんがトレーニングをして、『持てる重さが125kgまでのAさん』となれば、等級2の上家,等級2の基礎なので、建物全体として等級2の建物が出来上がります。

『構造設計をすると基礎が大きくなる』というお話も聞いたことがありますが、このあたりの事の話なのではないでしょうか。

2016年は熊本地震もあり、住宅の地震に対する安全性の関心が高まっていると思います。
お施主様のご要望に合わせた設計手法のご依頼をお願いいたします。