構造コラム第14回「4号特例(平屋or2階建ての木造住宅)の基礎の設計について」
2017/06/30構造設計
コラム第12回でもご案内したとおり、4号申請の建物でも安全性の確認は必要です。
また、上家については壁量計算や許容応力度計算などで安全性の確認ができることもわかりました。
基礎部分(基礎梁・直接基礎)の安全確認はどうでしょうか。
許容応力度計算では、上家から基礎部分まで一連で安全性の確認を行います。
また、耐震等級○・耐風等級○取得や等級○相当の設計のご依頼もあります。
その場合、上家を設計する地震・風の力が1.25倍ないし1.5倍となります。
上家が1.25倍ないし1.5倍の地震・風の力に耐えられても、それに見合った基礎を用意しないと意味がありませんので、基礎も1.25倍ないし1.5倍の力で設計します。
これを 上家→『耐震等級2(=1.25倍)』で設計,基礎→『等級なし(=1.0倍)』での設計の状態から考えてみたいと思います。
イメージしやすく『重さ125kgの荷物』と『持てる重さが100kgまでのAさん』と置き換えます。
Aさんは100kgまでしか持てないので、荷物を100kgまで減らしてしまいます。
折角、等級2の上家=荷物を用意したのに、等級なしの基礎=Aさんでは十分に持ち上げられません。
これでは建物全体として、等級無しの建物となってしまいます。
Aさんがトレーニングをして、『持てる重さが125kgまでのAさん』となれば、等級2の上家,等級2の基礎なので、建物全体として等級2の建物が出来上がります。
『構造設計をすると基礎が大きくなる』というお話も聞いたことがありますが、このあたりの事の話なのではないでしょうか。
2016年は熊本地震もあり、住宅の地震に対する安全性の関心が高まっていると思います。
お施主様のご要望に合わせた設計手法のご依頼をお願いいたします。