構造コラム第7回「木造の構造計画(梁・床編)」
2016/12/07構造設計
第3回の耐力壁編に引き続き、木造物件のお見積時に意匠事務所様にプランの調整をお願いすることが多い項目をご紹介します。
今回は梁などの架構や、床の水平構面に関することです。
梁材
長さ>6m、梁せい>450の梁材は、通常は特注品となります。
施工会社・プレカット工場によって入手状況や機械加工が可能かどうかなどが異なります。
梁せい
以下のような場合は梁せいが大きくなります。
①スパンの長い梁、多くの梁が架かっていて負担荷重が大きい梁
②オーバーハング部分の片持ち梁
③梁上に耐力壁が載る(耐力壁下に柱が無い)場合
床水平構面
床は自重や積載荷重を支えるだけではなく、
地震力や風圧力などの水平力を耐力壁に伝達する役割があります。
耐力壁配置のバランスが悪い時には特に、床で伝達しなければならない水平力が大きくなります。
吹抜け
火打ち・キャットウォークの設置ができない場合は、ゾーニングでの検討を行い、A・Bそれぞれでバランスよく耐力壁を確保する必要があります。
スキップフロア
床段差(H)が梁せい以内の場合は一体の建物として検討できます。
(長期優良住宅の場合は扱いが異なります)
梁せいを超える場合は、スキップフロアとしてゾーニングでの検討を行い、
A・Bそれぞれでバランスよく耐力壁を確保する必要があります。
第3回コラムと併せて、木造の計画の参考にしていただければと思います。
お見積りご依頼の際に、プランについて気になることがございましたらご相談ください。
参考
『木質構造基礎理論』日本建築学会 編
『世界で一番くわしい木構造』山部豊彦 著