構造コラム第23回「太陽光発電設備の構造設計-経済性と安全性の両立-」
2018/08/31構造設計
太陽光発電設備は、2012年7月の再生可能エネルギー固定価格買取制度(FIT制度)の導入に伴い 建設が急増しました。
しかし近年、構造体力不足を要因とした暴風や大雪による被害が増加してきています。 被害の事例として下記があげられます。
・土砂災害・水害
・積雪による基礎の沈下
・暴風による架台の損傷
これは、2017年にJIS C 8955が「太陽電池アレイ用支持物の設計用荷重算出方法」に改訂された際、構造設計に関する内容が削除されたことが大きな要因として考えられます。
そのため経産省は、構造安全性を考慮した、太陽光発電設備の架台や基礎に関する設計ガイドラインを2018年を目処にまとめることとしています。
(出典:経済産業省 産業保安グループ 電力安全課 【太陽光電池発電設備に関する電気設備の 技術基準の解釈改正について】 平成30年3月12日)
しかし一方で、太陽光発電設備は事業の側面を持つ以上、経済性(コストメリット)も重要となります。
構造設計者として経済性と安全性を両立した設計が求められています。
また今後は、事業の側面を考慮し、誰にでも利用できる設計システムの構築も考えていく必要が あるかもしれません。