覚えておきたい!特殊な耐力壁①

こんにちは!擁壁構造計算書のECサイト「StructureBank-工作物」の建築構造用語集 編集部です。今回は「高さ方向の地震層せん断係数の分布係数」とは何かを解説します。

在来木造住宅では建築基準法の告示で使用できる耐力壁が定められています。
一般的なものでは、皆様ご存じの通り筋交いや構造用合板が実際の木造住宅に使用されていますね。

しかし、実験などによって強度が確認できた耐力壁も在来木造住宅に使用することができます。
ここでは、告示の耐力壁とは一味違う特徴を持った耐力壁をご紹介します。
使用するにあたっての注意点も記載してありますので、ご参照ください。

狭小住宅にも使用できる!455幅の耐力壁

カエルのマークが目印のフロッキン耐力壁。
この耐力壁の特徴は何といっても、柱芯々455幅でも使用できるところです。

従来の耐力壁と比べ、優れた耐久性そしてコンパクトサイズな狭小壁を利用すればスペースに限りのある狭小住宅でも、これまでにない開放的な空間を作り出すことができます。
フロッキン耐力壁公式HPより引用

間口が狭い住宅で1階を車庫にする時の悩みの種は耐力壁をとることでさらに間口が狭くなること。
この耐力壁を使用するとその問題も解決しますね!!

注意
フロッキン耐力壁はまだ大臣認定を取得していません。
そのため「46条壁量計算」に壁量として算入することができません。
よって下記2パターンどちらかの対応が必要です。
  1. フロッキン以外の耐力壁で「46条壁量計算」を成立させる
  2. 「構造耐力上主要な部分である柱及び横架材」をすべて「集成材」にする(2階建てでも構造計算が必要)


詳しくは公式HPでご確認ください!!
「フロッキン耐力壁公式HP」

900幅で壁倍率4.5倍!

構成している部材をパネル化して、高い強度を実現した耐力壁「タフボード」です。
4.0倍程度の壁倍率を確保したいけど、筋交いしか選択肢がなく断熱材を犠牲にするしかない、という経験はありませんか?
そんな時はタフボードの出番です。
900幅だと4.5倍相当の壁倍率を確保できます。パネルなので断熱材も問題なく施工できます。
また、600幅、455幅の商品もラインナップされています。
900幅は大臣認定を取得されているので、46条の壁量計算にも参入することができます。

注意
900幅以外のタフボードは大臣認定を取得されていません!!
46条の壁量計算には算入されないので、フロッキン耐力壁と同じく注意が必要です

詳しくは公式HPでご確認ください!!
「タフボード公式HP」

すぎ板でも高い倍率を実現!

木材をもっと感じることができる住宅はとても素敵ですが、木材を表しにしても意匠性が高い耐力壁は少ないものです。
そんな時にはこちらの「ならの木 すぎ厚板耐力壁」

落とし込み板壁は、最大耐力は高いが、初期性能が低いために耐震性の指標である壁倍率が0.6倍と低くなります。

耐震性が従来の4.3倍に向上したスギ厚板耐力壁が完成し、壁倍率2.6倍の国土交通大臣の認定を取得しました。

スギ厚板耐力壁の室内側は、伝統構法の落とし込み板壁と同じ意匠性の優れた真壁となります。

こちらの耐力壁は大臣認定を取得されています。46条の壁量計算に算入することができます。
全ての耐力壁に使用することもできますが、内部耐力壁にワンポイントとしてすぎ板耐力壁を使用すると他社とは差別化できるかもしれませんね。

詳しくは公式HPでご確認ください!!
「ならの木公式HP」