【構造がわかるデザイナーになろう】木造住宅で吹抜けを設けるコツ

構造設計一級建築士の@mituru0622です!


吹抜けは開放的な空間を構成するのにとても有効な手段です。

一方で建築物にとって床面は大切な耐震要素の一つ。

そこで問題になるのが、「吹抜けはどのように設けるのが構造的に安全なのか?」ということです。

今回は木造に吹抜けを設ける時に心がけておきたいコツをご紹介します。

コツ①床面は一つながりが原則

床面は耐力壁と耐力壁を結んで、耐震性能を発揮させるという重要な役割を担っています。
そのため、床面は耐力壁から耐力壁まで一つながりで配置されている必要があります。

図は吹抜けの設け方として回避したいパターンです。

※床面がつながっていないからといって必ずしも成立しないわけではありません。
構造設計者にご相談ください。

コツ②吹抜けに火打ちを設けたくない時

床面が一つながりになっていない時や、一つながりになっているものの床面が小さすぎる時には吹抜けに火打ちを設けて
吹抜けを床面とみなす必要があります。

でも火打ちは野暮ったいので設けたくない、、、、という時もありますよね。
そんな時はどうするのか、、、、

残念ながら現在では


①床面の強度を上げる
②床面を大きくする

という方法しかありません。
それでも床面の強度が不足する場合は、火打ちをなくす一般的な方法はほとんどありません。

個別の状況に応じて構造設計者が検討する方法が最も有効です。

こんな方法もあります

火打ちレス金物

金物を吹抜けの四隅に配置して、床面の強度を確保する金物です。
火打ちレス金物 | 製品情報 | 株式会社タツミ (tatsumi-web.com)

コツ③吹抜けを設けたときの注意

床面の強度を保ちつつ吹抜けを設けた場合でも注意が必要です。

以下の3つに注意しましょう。

  • 耐風梁もしくは耐風柱が必要となる場合が多い
  • 吹抜けに面した壁に耐力壁を設けることができない
  • 階段も吹抜けと同様の注意が必要!!

まとめ

今回は吹抜けを設けるためのコツをご紹介しました。
吹抜けは構造的な弱点になることが多いですが、少しの注意を払うだけで意外と簡単に克服できます。

適切な吹き抜け空間を設けるためにコツをご活用ください!

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