構造コラム第4回「地盤改良(柱状改良)」
2016/09/01構造設計
木造の戸建の場合に、ベタ基礎の採用がほとんどかと思われます。
その際に、地盤が建物を支える力(地耐力,支持力)が不足する場合は地盤改良を行います。
地盤改良の一つとして、その土地の土とセメントなどを混ぜて、地盤のなかに円柱状の改良体をつくり支持力を増やす工法があります。
この改良体の支持力(↑)は、先端支持力と周面摩擦力の合計となります。
先端支持力:支持地盤が改良体を押し返す力(↑)
周面摩擦力:改良体が沈まないようにと周囲の土との間に働く摩擦の力(↑)
ここで、自沈層がある場合の話になります。
自沈層は摩擦力と逆方向の力(↓)が発生しています。
地盤改良の検討書の内容を確認すると、この自沈層でも摩擦力を考慮しているものが見受けられます。
自沈層では、改良体と同じように下方向に土が移動するため、自沈層の摩擦力を考慮しないなどの配慮を行っています。
また、基礎については後々の改修や補修の工事が行いにくかったり、大がかりになります。(建物のジャッキアップなど)
上記のような配慮を行うことによって、建物が傾く可能性を減らし補修工事などのおきにくい、お施主様に安心していただけるお住まいが提供できればと考えております。