構造コラム第2回「建物規模と設計ルート」
2016/06/28構造設計
今回は、建物規模と設計ルートについてです。
まずは、建物規模と採用できる設計ルートの区分になります。
ルート1
強度型:建物を変形しにくくして、地震に対して耐える ≒ 満員電車の中で踏ん張るイメージ
木造
建物高さ≦13m,軒の高さ≦9m
S造
建物高さ≦13m,軒の高さ≦9m,
+柱スパン≦6m,階数≦3,延べ面積≦500㎡ → ルート1ー1
+柱スパン≦12m,階数≦2,面積≦500㎡,平面的バランスが良い(偏心率≦0.15) → ルート1ー2
+柱スパン≦12m,階数≦1,面積≦3000㎡,平面的バランスが良い(偏心率≦0.15) → ルート1ー2
RC造(1)
建物高さ≦20m,規定量の耐震壁(2)がある
ルート2
S造
建物高さ≦31m,塔状比≦4,平面・立面的バランスが良い(偏心率≦0.15・剛性率≧0.6)
RC造(1) 建物高さ≦20m,塔状比≦4,平面・立面的バランスが良い(偏心率≦0.15・剛性率≧0.6) 規定量の耐震壁(2)がある(耐震壁の量により、ルート2-1とルート2-2の2つがあります)
ルート3(保有水平耐力計算)
靱性型:建物の変形能力を大きくして地震力を受け流す ≒ 満員電車の中で周囲と一緒に揺られるイメージ
S造・RC造(*1)
建物高さ≦60m
*1:RC造について
柱梁でフレームを組むラーメン架構について記載しています。
*2:規定量の耐震壁について
採用する設計ルートにより必要となる耐震壁の規定量は違います。
耐震壁の必要壁量は、多いほうから順に ルート1>ルート2-1>ルート2-2 となります。
各材料の特徴や想定される建物用途を勘案して、採用できる設計ルートが設定されています。
その設計ルートにより設計期間や躯体数量、確認取得までの期間も変わってきます。
また、建物規模ではルート1が採用できる場合でも
プラン等によっては上位の設計方法であるルート2やルート3を採用する場合もあります。
今回の建物規模と設計ルートは、これから計画する上での参考材料としていただけたら幸いです。
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