【構造がわかる建築デザイナーになろう】HD金物とその他の金物の違い

構造設計一級建築士の@mituru0622です!

木造住宅の柱についている金物にはホールダウン金物やV型プレートなど、様々な種類があります。
たくさんある柱脚金物の中でもホールダウン金物は少し特殊な役割を担っています。

ホールダウン金物が担っている役割とその他の金物の違いについて大まかにご説明します。

そもそも柱脚金物がないとどうなるのか?

柱脚金物は柱と土台(梁)を緊結するために使用されます。
柱は2階、3階、屋根、とたくさんの重量物を支えているため、緊結なんて必要ないと思いませんか?

実は、筋交いや構造用合板などの耐力壁を使用すると地震や台風の時に、柱が上方向に引っ張られることがあります。
ここで柱脚金物の出番です。しっかりその上向きの力を抑え込むことができると地震や台風にも負けない骨組みを作ることができます。

つまり、柱脚金物は柱に上向きの力がかかったときに柱が外れないようにするという重大な役割を担っているのです。

ホールダウン金物の特殊な役割

ホールダウン金物の最も特殊な点は、柱から直接基礎に金物が緊結されていることです。
耐力壁が2層、3層にわたって設置される場合、上に引っ張られる力はとても大きな力になります。

土台と基礎を緊結するM12アンカーボルトではその力に耐えることができないときがあります。

そのため、ホールダウン金物を使用して土台を貫通したうえでそのまま上向きの力を基礎に伝えることになります。
(これを「基礎引きの金物」と呼ぶこともあります)

何に注意をすればいい??

最近ではホールダウン金物を使用せずとも20kN以上の耐力を確保できる金物もあります。
その金物の性能自体は疑いもなく良いものですが、上記のようにホールダウンとの違いを意識してください。

20kNのホールダウン金物は基礎に直結していますが、20kNの金物は土台に緊結されています。
基礎と土台にかかる力の性状が微妙に異なっているということです。

どちらが良いか悪いかという一般的な判断はなく、使われている状況によって変わります。
現場で、HDから通常の金物に変更することになった場合は、必ず構造設計者に確認するようにしましょう。


ホールダウン金物とその他の柱脚金物の違いについてご紹介しました。両者の違いを詳細に覚えている必要はありませんが、
同じ耐力でも両者は異なる性質を持っているということを覚えておけば良さそうです

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