【建築知識あれこれ】木造で鉄骨の梁を使う!気を付けることは?

こんにちは!擁壁構造計算書のECサイト「StructureBank-工作物」の建築構造用語集 編集部です。今回は「高さ方向の地震層せん断係数の分布係数」とは何かを解説します。

リビングの大空間や大開口、柱を入れたくないものですよね。

そんな時によく使用されるのが鉄骨の梁です。

構造設計事務所としてよくご相談をいただきますが、審査機関へ事前に注意しておくべき内容があります。

今回は木造で鉄骨梁を用いる場合の注意点をご紹介します。

混構造となる可能性が!

鉄骨梁に耐力壁が取り付く場合

鉄骨梁の上、もしくは下に耐力壁が取り付く場合は混構造とみなされる場合があります。
明確な根拠はありませんが、行政や審査機関によっては混構造とみなします。

混構造となった場合、計算手法が複雑になり様々な制約が生じる可能性があります。

利用を考える場合は事前に審査機関と相談し、構造種別を確認しましょう。

※4号特例の場合はそこまで問われませんが、金物の取り扱いなど、構造的に注意すべき箇所はたくさんあります。
構造設計者に相談するようにしましょう。

ルート2となる可能性が!

鉄骨梁のスパンが6mを超える場合

「鉄骨部材には鉄骨のルールが採用される」という考えです。鉄骨造は柱スパンが6mを超えるとルート1-2、ルート2もしくはルート3となります。
ルート1-2、ルート2であれば横補剛の検討が、ルート3であれば保有水平耐力計算が必要となります。

それらの検討は木造+部分的な鉄骨梁という形状ではなかなか成立しません。
確認申請上、とても不利になります。

鉄骨梁が採用できるのは6mまで、と覚えておきましょう。

まとめ

いかがでしたでしょうか。今回は木造で鉄骨梁を用いる時に注意すべき点をお伝えしました。
制約があるものの、鉄骨梁を用いると梁せいを小さく抑えたうえで大空間や大開口を実現することができます。

木材の調達や価格にお困りの方は一度試してみてはどうでしょうか!