梁せいを小さくするための工夫とは?(木造編)

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こんにちは!建築構造モデルデータダウンロードサービス「STRUCTUREBANK」の建築構造用語集 編集部です。

構造設計をスタートすると、想定しているよりも梁せいが大きくなってしまうことはないでしょうか。

工夫によって梁せいを落としていくのが構造設計者の仕事ですが、中には構造だけでは対処できない状況もあります。

梁せいを落とすために構造設計者と何回もやり取りする羽目に、、、、なんてことも数多くあると思います。

今回は、梁せいが想定よりも大きくなることを未然に防ぐ方法を解説します。

スパンを短くする

もっともシンプルな方法です。木造では梁のスパンが4550㎜程度以上になると直上に柱や壁がなくても、梁せいを330を超えることが多くなります。

そうならないように4m以内程度に柱を入れてスパンを小さくすることが梁せいを抑えるうえで有効な方法です。
可能な限り大きな空間には柱を入れたくはないですが、プランニング段階で柱を入れることを想定しておくと後から、柱を入れるよりもスムーズに設計が進みます。

スパンが大きい場合、たわみによる梁せいの制限が支配的になります。

たわみにはスパンが大きく影響しています。スパンが小さくなると梁せいが30㎜~60㎜以上小さくなることも期待できます。

梁のピッチを細かくする

木造の梁ピッチは標準で910(900)㎜です。これは構造用合板の仕様によるものですが、@910以内に梁を入れることももちろん可能です。

例えば@910の半分の@455にすることで、梁せいを抑えることができます。

効果はあまり大きくありません。1ランクダウン(30㎜小さくする)程度が目安です。

梁を2本並べる

「梁のピッチを細かくする」の発展版です。

梁を120~130程度の間隔で2本並列に並べます。荷重を負担する幅が半分になるため、その分梁せいが小さくなります。

負担幅が半分になるからといって残念ながら梁せいは半分にはなりません。「梁のピッチを細かくする」と同じ程度の効果が期待できます。

強度の高い木材を使用する

梁配置で工夫する方法ではなく、梁の強度そのものを上げてしまう方法です。

架構にはほとんど影響がなく、梁せいだけを落とすことができるのが特徴です。

強度が高い木材とは集成材やLVLです。これらの材料は無垢材(無等級材)よりも強度が高く製造されています。

あまりに強度が高い集成材は手に入らなかったり、コストがかかりすぎる場合があるので注意しましょう。

よく使用される集成材は対称異等級集成材(E105、E120程度)です。

スパンが大きな部屋の上に壁を設置することを避ける

最も効果的な方法ですが、最も意匠上難しい方法です。

スパンが大きな部屋は当然、梁のスパンも大きくなります。梁のスパンが大きくなると床を支えるだけでも大きなたわみが生じ、梁せいが大きくなります。

そこにさらに壁を設置すると壁の重量も負担することになり、ますます梁せいが大きくなります。

さらにさらに、その壁に耐力壁を設置するとたわみだけではなく、曲げモーメント的(応力的)にも梁せいが大きくなります。

梁せいが大きくなる要因が3つ重なるため、その一つを取り除くだけでも梁せいを抑える効果が大きいです。

それでも梁の上に壁を置かないといけない時は???

そんな時は、やはり先述のように以下の方法が効果的です。

  • スパンを短くする
  • 梁のピッチを細かくする
  • 強度の高い木材を使用する

それでもなかなか梁せいを抑えられない時は、構造設計者とよく相談しましょう。

必ず解決方法を提示してくれます。

今回は梁せいを小さくする方法について解説しました。少しでもお役に立つことができれば幸いです。

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